(1)おめぇ、ゆんべ快速でペロンコしたべ?
(2)おがっつあんの布団さペロンコしろ。
(3)あいづ学校さペロンコして入った。
すべて正しい使い方だ。懐に収まるような語感に東北地方特有の語尾が重なったものではないかと思う。上の3つは、
「きみ、昨晩快速列車で無賃乗車したでしょう?」
「お母さんの布団へ入りなさい」
「アイツ、学校へ不正入学した」という意味になるが、想像するに「不正」「ちょろまかす」「寸借」「着服」「もぐりこむ」を兼ねた意味になっているのだろう。ただし、あまりにも大きな不正にはペロンコとは言わない。
これを、「衛生処理組合女性職員が公金横領」に当てはめたらどうなるか。
「組合のガガァ、ペロンコ」になってしまう。不正に見えないどころか、キュート感さえ漂ってしまう。
また「布団にペロンコ」の対象は子供だ。大の男にそんなこと言ったら違った意味に捉えられるかもしれない。
というわけで、「ペロンコ」は許される範囲の収まりが転じて使われているのだ。まぁ、不正が許されるかどうかは別にして。