川の流れのように

　近代建築の宝庫、ニューヨーク。新旧の建築物が混ざり合って独特の雰囲気を醸し出している。中でも気に入っているのがイーストリバーに架かるブルックリン橋だ。1883年に竣工され、当時の最新の技術を駆使して作られた世界橋梁史に残る橋である。
　ニューヨークに着くと時差ボケでとんでもない時間に目を覚ます。宿でぼーっとしているのも何なので散歩に出かけたら、これがなかなか清々しい。特にブルックリン橋の散歩はおすすめだ。

　まず人がいないので自分のペースで歩けて、何となくニューヨーカーになった気分に浸れる。右手にスターバックスのコーヒーを持っていたら尚更だ。それから安全であること。四六時中警察が待機してくれている。それと何よりも歌がうたえる。いるのはジョギングする地元民だから、放歌高吟の観光客など構いやしない。さらに歩道の両脇からはエンジン音がかき消してくれる。
　はじめはマリーナ・ショウの「Feel Like Makin' Love」など歌っていたが、英語の歌はどうもしっくりこない。で、最近は橋の真ん中で、自由の女神に向かって歌うのはもっぱら「川の流れのように」だ。友人に自慢したらダッセェと一笑に付されたが、ダサくても楽しいし、歌ってて涙が出そうになる。これって多分、NHKのど自慢がブラジルで開かれて日系の移民が流す涙と同じなのかもしれない。遠くでふるさとを想う気持ち。僕なんかせいぜい１週間離れた程度なのでたかが知れているけれども。

　知らず知らず　歩いてきた　細く長いこの道
　振り返れば　はるか遠く　ふるさとが見える
　でこぼこ道や　曲がりくねった道
　地図さえない　それもまた人生
　ああ川の流れのように　ゆるやかに
　いくつも時代は過ぎて
　ああ川の流れのように　とめどなく
　空が黄昏に　そまるだけ

　なんだかんだ言っても僕のソウルミュージックは演歌なんだと思う。

KENJI

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Comments

[投稿情報: s-t]

生きててよかったねェ。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
昨晩、表彰を祝う会の後、川の流れのように？珍客賓客がなだれ込んできました。
その中に、ミユキパパがいて、、、PC（リンク）覗いて喜んでたよ。

[投稿情報: KENJI]

「川の流れのように」ではなく「鉄砲水のように」でしょう、それは。

消防関係のみなさま、本当にありがとうございます。