ベイシー詣
おととい、広島在住の友人夫妻と一関で会う。二人とも初の東北旅行らしく、オーディオマニアの夫がどうしても外せない聖地ということで、ジャズ喫茶「ベイシー」へ行く。けれども水曜は定休日。だめもとで駅から電話してみた。
「はい~?」
この声はたぶんマスターだ。ということは開いてるのだろうか。客商売なら普通「ありがとうございます。ベイシーでございます」とでも出るだろうに、定休日なのに電話する輩に嫌気がさしたのだろうか。それとも民家に間違い電話?名乗らぬ相手に緊張して、標準語とも気仙沼弁ともいえぬイントネーションで話してしまった。
「あの~、今日お店はやってますでしょうか。」
「わざわざ来てんだったら開げっから。定休日の看板あがってっけど、そのまま入ってきて。ガチャ!」
中途半端な訛りが茨城あたりに聞こえたのだろうか。どこから来たかいっさい話さないうちに電話が切れた。通話時間は17秒。ともかくも、本当に「わざわざ来た」友人は狂喜乱舞した。
へりくだりもせず、着飾りもしない応対に職人気質を感じながら、ベイシーへ向かう。
KENJI
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