業はめぐる
8時46分からマンハッタンのあちこちで、黙祷のサイレンが何度も鳴っている。
2001年9月11日朝、僕はトロントからニューヨークへ向かおうとしていた。荷物をまとめ、NHKの国際放送をみていたら突然中継画面に変わった。映画かと思うような光景が映しだされる。アメリカ人の友人は、両手で頭を抱え「オーマイガッ」を連発していた。翌日の午前中に行くはずのWTCが崩れていく。一日違っていたら瓦礫に埋もれていたかと思うと、今でも背筋が凍る。
それから1週間、「真珠湾以来の奇襲」と報じる米メディアもあった。書店には真珠湾攻撃の関連書籍が平積みされ、無差別テロと一緒くたにされて悲しかった。と感じていたところに、日本人有志でワシントンポストに意見広告を出すことを知り、僕も名前を連ねた。America, We are with you。同時多発テロは真珠湾攻撃とはまったく違ったものであり、私たちはあなた方と同じ痛みを分かち合っている、といった内容だ。
あれから5年。with youと言いたくても、アメリカだけが突っ走っているような気がしてならない。どちらかがギャフンと言うまで続くのだろうか。
グラウンド・ゼロの脇に特設された鎮魂の鐘をついてきた。
KENJI
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