おしどり夫婦
そういえば、そうそう。日経ビジネス7月9日号に気仙沼が載っていた。『シリーズ格差列島「切り捨てられまい」』。タイトルこそ過激だけれど、前号では黒壁で有名な長浜商店街がクローズアップされていたりと元気なまちづくりを紹介している。トップはダンヒルのマスター。おぉぉ、ダンヒルを1ページ目に持ってくるなんざあ嬉しいんでないの。
2ページ目には、海の市の千田さんが夫妻で。同級生の両親で、高1の春休みに本業の自動車会社でアルバイトをさせていただいたりと世話になった。写真から垣間見える、20年前と変わらぬおしどり夫婦ぶり。なんか嬉しい。
千田さんは会うと色々な話をしてくれた。小学校卒業後、口減らしのために網元へ丁稚奉公へ出された。中学卒業後、バスの車掌、運転手、自動車教官を経て26歳のとき三日町でパンク屋を開業。自動車修理工場からディーラーと事業を拡大して自動車ひとすじの人生を歩んでいる。苦労話もあるだろうに、およよと泣き崩れるような話はなかった。魚を満載したリアカーで坂道を登っていたら、見かねた大人たちが押してくれただの、小銭を握った感覚だけで何円か分かるのは車掌をしたおかげだの、いま思えば感謝に満ちたエピソードばかりだったと思う。
夫婦の馴れ初めも聞いた。車掌をしていた頃、乗客の女子高生に一目ぼれ。告白したら「この人と一生ともにする予感がしてた」との返事がきたという。「学もカネもない車掌が旧家のお嬢さんを射止めてしまったんだよな~アハハ~!」とおじさんは笑い、台所でおばさんが照れているように見えた。
こんな話も聞いた。自動車メーカー役員との懇親会で余興を披露することになった。ポータブルプレイヤーを持参し、おばさんがレコードをかける役で、おじさんは赤フン一丁でいなかっぺ大将を踊ったという。息の合った夫婦というのか、2人とも度胸があるというのか。その話でもおばさんはニコニコ笑っていた。
写真でもおばさんはニコニコ笑っている。なんか嬉しかったのは、あの笑顔を久しぶりにみたからだと書きながら気づいた。
KENJI
千田さんご夫妻のあの笑顔に接する度、心がとても和みます。私も、三日町時代から大変御世話になっています。お会いするたびに多くのことを学ばせていただいてます。とても素敵なご夫妻ですね。
投稿情報: 秋彦 | 2007-07-25 19:01
>秋彦さん
まったく同感です。それと、秋彦さんのコメントも載っていてさらにびっくりしました。
投稿情報: KENJI | 2007-07-25 22:34