わひーん
明日のカレーの玉ねぎ炒め係になってしもた
KENJI
去年みた小石丸が気になって、今年も日本の絹展2007へ行く。真っ先に蚕コーナーへ行ったら、小石丸のほかに日106号、中108号も置いてあった。って、まるで囚人みたいな名前じゃないの。もっといい名前もあるだろうに、106だの108だの番号で呼ばれて気の毒だなと思った。けれど、どう呼ばれようが蚕は蚕。命名するなら桑をくれといわんばかりの食欲で、ムニャムニャと桑の葉をかじっていた。
去年と違って、どの品種も生後1週間前後で糸を吐き出す前だった。タバコの吸殻大の幼虫がムニャムニャと桑の葉を規則的にかじっている。一口で塩粒くらいだろうか。小刻みに20回くらい繰り返すと口に溜まるのだろうか。その反復作業をひたすら続けた結果、きれいに茎だけが残っていた。近くにいた若い研究者に聞いたら、3週間ひたすら食べ続けるという。恐るべし。
しかも桑しか食べない。似た成分の葉を与えても見分けがつくらしく、その葉だけが残ってしまう。なぜそうなのかは目下研究中とのこと。リンゴを与えたら成長が止まったとか、桑の葉が足りないと糸の量が減るとか、聞けば聞くほど面白い。
『日本の絹展』
7/25(木)~7/30(月)(最終日は18時閉会)
日本橋高島屋8F催事場
KENJI
そういえば、そうそう。日経ビジネス7月9日号に気仙沼が載っていた。『シリーズ格差列島「切り捨てられまい」』。タイトルこそ過激だけれど、前号では黒壁で有名な長浜商店街がクローズアップされていたりと元気なまちづくりを紹介している。トップはダンヒルのマスター。おぉぉ、ダンヒルを1ページ目に持ってくるなんざあ嬉しいんでないの。
2ページ目には、海の市の千田さんが夫妻で。同級生の両親で、高1の春休みに本業の自動車会社でアルバイトをさせていただいたりと世話になった。写真から垣間見える、20年前と変わらぬおしどり夫婦ぶり。なんか嬉しい。
千田さんは会うと色々な話をしてくれた。小学校卒業後、口減らしのために網元へ丁稚奉公へ出された。中学卒業後、バスの車掌、運転手、自動車教官を経て26歳のとき三日町でパンク屋を開業。自動車修理工場からディーラーと事業を拡大して自動車ひとすじの人生を歩んでいる。苦労話もあるだろうに、およよと泣き崩れるような話はなかった。魚を満載したリアカーで坂道を登っていたら、見かねた大人たちが押してくれただの、小銭を握った感覚だけで何円か分かるのは車掌をしたおかげだの、いま思えば感謝に満ちたエピソードばかりだったと思う。
夫婦の馴れ初めも聞いた。車掌をしていた頃、乗客の女子高生に一目ぼれ。告白したら「この人と一生ともにする予感がしてた」との返事がきたという。「学もカネもない車掌が旧家のお嬢さんを射止めてしまったんだよな~アハハ~!」とおじさんは笑い、台所でおばさんが照れているように見えた。
こんな話も聞いた。自動車メーカー役員との懇親会で余興を披露することになった。ポータブルプレイヤーを持参し、おばさんがレコードをかける役で、おじさんは赤フン一丁でいなかっぺ大将を踊ったという。息の合った夫婦というのか、2人とも度胸があるというのか。その話でもおばさんはニコニコ笑っていた。
写真でもおばさんはニコニコ笑っている。なんか嬉しかったのは、あの笑顔を久しぶりにみたからだと書きながら気づいた。
KENJI
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気仙沼風待ち通信 2013年2月号(PDF) |
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