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2004-11-08

芸術の秋part4:気仙沼市図書館

 ウィリーさんの会場で、彼が修行の時に身元保証人になった方と会った。竹内さとるさん(さとるは「折」の下に「心」)。現在、日本図書館協会の理事長で、ウィリーさんの父、ジョンさんの研究仲間。最近まで図書館情報大学で教鞭をとっていた方である。図書館学はまったく知らないので、社交辞令のつもりで「出身は気仙沼なのですが、実家の隣が図書館で、よく利用していました」と言った。実際は2軒隣りなのだが。
 「知っていますよ。丘の上にありますよね。行ったことないですが。」
 「ご存知なんですか?」
 「ええ。有名な館長さんがいてね。先月の全国大会でも活発に質問されていましたよ。」
 ここまで詳しいとはびっくりを超えて、まさかこんなところで気仙沼市図書館の話ができるなんて嬉しくなった。頭をフル回転させて、確か館長は2〜3年前に代わったはずだけど、有名といえばこの人かなと、思い切って名前を口にしてみた。

 「荒木英夫館長さんですか?」
 「そう。先月の大会で、海外から来る研修生や外国人妻も利用できる図書館について質問されていました。彼らにとって母国語の本を読めるのが一番。しかし、どんな書籍が好まれるのか、その選択が難しいこと。次に、取り寄せるのが難しいんです。彼らもちゃんと税金を払っているのですから、図書館も利用できるようにと情熱を傾けていますよ。」
 さすが図書館学の権威である。情報が整理されてある。
 「高台にあるので利用しにくいと気にしていました。それに予算もね…」
 ここまで知っている竹内さんもすごいが、全国に名を知らしめるほどの荒木さんもすごい。この会話をホームページに載せたいと言ったら「荒木さんは我々の図書館の世界では非常に高い評価を受けている方です、と加えてくださいね。」とのこと。
 まちの宝は身近にあることを思い知らされた。

 ケンジは中学2年まで図書館を避けるように歩いていた。というのも、小2だったか小3だったかに児童図書室で借りた本を返していなかったか、失くしてしまったからだ。素直に謝ればいいものの、叱られるのがこわくて放置していた。
 中学からは一般用も貸し出してもらえることを知り、思い切って登録したら、小学時代の粗相は問い詰められないではないか。それをいいことに、図書館が本棚代わりになった。2週間で4冊のところを、3日おきに借りまくったと言うと、本の虫のように思われるかもしれないが、ジャンルは支離滅裂だった。中でもアンディーウォーホールの画集は貸し出し期間目一杯借りて、1週間後誰も借りていなかったらまた借りての繰り返し。まったく公共心のないユーザーだ。
 同級生の女子に「すごいの読んでいるね」と言われたくて、本当は赤塚不二夫のニャロメの相対性理論を借りたかったのに、ニーチェだったかサルトルだったか哲学本を借りたりした。もちろんすぐ返却した。
 今思うと2軒隣が図書館なんて、恵まれた環境だったと思う。
 気仙沼市図書館のみなさま、ありがとうございました。

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コメント

荒木元館長さんと言えば、
子供の頃毎年参加していたユネスコの海浜学校で、
「化石」採取に連れて行っていただいたり、
化石に関するお話を情熱的にされていたのが印象的。
今でも、たまに町でお見かけしますが、
何かいつも資料みたいなものを抱えていることが多いですね^^

図書館、一時は本当にしょっちゅう行って、リクエスト出しまくっていたのに、最近行ってないなぁ。
今週末あたり、行ってみようかな。

KAZUEさん
そうですよね。荒木元館長といえば化石博士。鳴き砂の研究の第一人者でもあり、三陸新報で連載された「十八鳴浜研究」が印象的でした。

一通りの新聞雑誌や新刊は揃っているし、眺めはいいし、静かだし、思索するには絶好のロケーションですよね。知る人ぞ知る気仙沼の楽しみのひとつかも。

KENJIさんこんにちは。
家の近所が図書館で、子供の頃から行っていたなんて羨ましい!
私が小学生の頃、あの図書館は気仙沼小学校に併設されていて、
気小の人しか行ってはいけないのだっ、と勝手に思い込んでました。<同じ敷地なので
だから、気中に入って堂々と初めて行った時には嬉しかったなぁ^^;

新刊、リクエスト出しておくと、結構購入していただけるんですよね。
しかし、最近は連続して同じ書籍の購読は、一応「1回延長のみ」ってなったみたいです。
私としては、一度に借りられる本の冊数が4冊ってのがちっと不満。確か移動図書カーだと8冊までなのに。
それにしても、荒木元館長さん、すごいですね。

KAZUEさま
悪しき慣習の第一人者は僕ですね。ハハハ。さすがに新刊は連続借りはしませんでしたが、常にチェックしていました。

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