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35 posts from 2007年10 月

2007-10-12

街は人の香りがする

Arezzo

 娘のプリーヌが歯医者へ出かけると言うのでついていった。車で30分、アレッツォに着く。治療の間、プリーヌのボーイフレンドにガイドしてもらった。アレッツォの起源はエトルリア時代に発し、中世には自治都市として栄え、フィレンツェやシエナに次ぐルネッサンス文化の中心地だった。半日でぜんぶ回れる広さにルネッサンス時代の絵画や建築があちこちに点在している。車一台がやっと通れる石畳の路地ばかり。ドアノブを叩きながら婆さんが何か叫んでいた。そしたら3階の窓から別の婆さんが顔だして手招きしていた。ああ、ここでも茶飲み話があって「いだのすか」「あがらい」とでも言っているのだろう。

 そう思ったらドアノブに親近感が沸いて、おのおののドアノブと紋章ばかり撮っていた。それで気づいたのは左のドアノブはほとんど触られていないこと。そりゃそうだ、右が開くのだから。それに貧富の差があること。お金持ちの家は豪華な飾りが、貧しそうな家にはないかあっても牛の鼻輪みたいなものだった。大金持ちそうな家にはドアノブはない。たぶん叩いても聞こえないからだと思う。模様にも個性がある。たぶんライオンだろうが、般若の形相をしたドアノブが多く、百合や縄をモチーフにしたのもあった。魔除けの意味でもあるのだろうか。

 そんなこんなで二時間弱、プリーヌが治療から戻ってきた。二人は長い間離ればなれのカップルかの如く抱き合ってキスしていた。僕は目のやり場に困って、ドアノブを撮るふりをして離れた。

KENJI 

2007-10-11

黄金酒街道

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平泉〜一関〜千厩〜気仙沼〜本吉〜南三陸の街道にある建物の紹介パンフレットが届きました。ポスターも一緒です。

店米山武も登場しています。

風待ち研究会さんがこつこつと積み重ねていただいたお蔭と心から感謝しています。手間ひま掛かる作業は真似できるものではありませんね。

見学へいらっしゃる方々に満足な案内は出来ませんが「あがらいんや」の気持ちで少しずつお手伝いしようと思っています。

と言っても、出来るお手伝いだけね。(笑)

seiko

2007-10-10

豊かな食は

Perrochon_lunch
 

 昼食も長かった。いま料理してると聞いて1時間半。フレデリックの奥さんがシーツを干し始めたと思ったらテーブルクロスだった。毎昼こうなのか聞いたら、天気の良い日はテラスで食事するという。ミラネーゼリゾットにトマトときゅうりのサラダ、豚肉のオーブン焼き。ワインを飲みながらまたも会話が止まらない。何を話しているか分からないけど楽しい。しかもデザートとエスプレッソまでついてきた。2時半に始まった食事が終わったのは4時。長っ。

 そして今晩は友人宅でパーティーがあるという。どうも友人の子息が洗礼を受けたか何かでお祝いがあるらしく、僕も参加させてもらった。

 麓の友人宅には既に30人以上集まっていた。子供から大人まで、なんとまあひっきりなしにやってくること。とりあえず「チャオ(やあ)」「ビーノ(ワイン)」「グラツィエ(ありがとう)」の3語でなんとかなった。片隅に固められたテーブルには、さんま20尾は入るトレーがずらりと並び、そこには数種のラザニアやティラミスがどーんと。やれ食えそれ食えと親戚のおばちゃんみたいに次から次へとすすめられる。おばちゃんの勧めたがりは万国共通だと思った。隣では僕と同じ年頃の男性が婆さんにウィンクしたら、婆さんも皺を目一杯寄せたウィンクでこたえていた。その風景に吹き出してしまったら、婆さんは僕に話しかけてきた。通訳すると「私には7人の子供がいるの。その一人よ。」ということだった。なんだ、そうなのか。ここに集まっているほとんどは家族なのか。親子でウィンクし合うなんて僕にはできない。

 ペロションさん宅にしても、友人宅にしても、食が豊かというより人間性が豊かだ。どちらが欠けてもだめなんだろうなと思った。

 豊かな食は人にあり。
 スローな食は家族にあり。
 ふるさとにうまい酒あり(男山)。

KENJI

2007-10-09

なにもしない贅沢

Perrochon_terrace

 クリスチャンヌ・ペロションさんの家は丘の頂にある。10世紀には城というか要塞だったところにアトリエ兼自宅をつくった。それだけに眺めがいい。テラスから見える山なみに、浮かんでは消える雲をずっと眺めていたら、キヨエおっぴい(1900−1993)を思い出した。

 キヨエおっぴいは晩年、店の2階から魚町一丁目商店街をずっと眺めていた。来る日も来る日もそればかり。10年近く毎日そればかりだったように記憶している。幼かった僕は幽閉された大奥に見えて可哀想だと思ったし、人と車の往来だけ見て何が面白いのだろうと思っていた。あの店に人が入っただの、今日は車が多いだの、だからといってどうこうしようというわけでもなく、ただ眺めるだけ。

 トスカーナの山を見て、おっぴいの気持ちが何となくわかった。楽しみは外にあるのではなく、自らの内側にあるものなのだと。まあ、わざわざイタリアくんだりまで来て気づくことでもないのだけれど、流れゆく雲を見てそんな風に思った。なにもしない贅沢。そこにある楽しみ。そこまで達観するにはあと何年かかるだろう。

KENJI

2007-10-08

魅せられて

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いやぁ、かわいかった!

後で聞いたら3歳だっていうんだもの、、、一生懸命に太鼓をたたいてる様子が何ともいえなかったですよ。

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来年、JR東日本が宮城県の観光キャンペーンを大々的に展開するそうです。それにちなんで「港まち・青ぞら・夕ぞら・恋の市」と銘打ったイベントが連休中にありました。フラメンコあり、太鼓の競演あり、sakaiのミニコンサートありと様々なイベントが目白押しでした。わたしは、相変わらずの焼きそばおばちゃんになったり、ホルモン屋のおばちゃんになったり、売り子?になったりしてました。皆が忙しい中、年の功で抜け出して撮った写真です。(笑)

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粋の良い若者が全身で太鼓をたたいていました。ブログに載せるのを了解取らなかったけど、許してね。かっこ良かったよ~。

seiko

河原田ライブカメラ

BBっといー東北