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2007-10-18

ケンプトン窯探訪

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 先週末、ウィリーさんの窯焚きに参加した。ニューヨークから78号線を真西に250km、なだらかな丘が続くアパラチア山脈の麓にウィリーさんの窯がある。自ら登り窯を建造し、土をこね、薪をわる。釉薬も自家製が多い。すべての工程をひとりでやり遂げる陶芸家は最近あまりいないらしい。「僕はお金がないから、近くにあるものを使うか、自分で作るんです。」とウィリーさんは言うけれど、いやいや、そこまでの情熱ある陶芸家はなかなかいないっすよ。

 窯は水曜日から徐々に焚きはじめて、土曜午前から1時間で華氏100度(摂氏55.5℃)ずつ温度を上げていく。摂氏1300度近くになると、薪を入れても入れてもすぐ燃えてしまう。火の神様を見た思いがするほどだ。こんな高温度になれば 1200度も1300度も同じに思ってしまうが、焼き物はそうではない。わずかな温度差が釉薬の色を決める。1300度だと釉薬が流れ出してしまうし、1250度だと色が出ない。1260度から1280度のわずかな温度を薪で調整する。窯の左右では常連の助っ人が真剣に、ウィリーさんの指示で2本3本とくべていく。上の写真はピークを過ぎた日曜午前の3番窯。

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 窯の全景。斜面に沿って四部屋ある。しめ縄は一昨年末、七十七銀行気仙沼支店前の歳末市で売っていたものを贈った。なんか不格好だけど、いいか。御神酒には赤ワインが盛られている。

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 窯を外から見るとこんな感じ。両側面に積まれた薪が一晩でなくなった。

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 日曜午後1時、窯焚きが終わるとみんなでバーベキュー。今度来るときは気仙沼ホルモン持ってこようかな。って検疫でダメだろうな〜。

KENJI

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コメント

ちゃ~んと、おでってぇしてきたの?

>seikoさん
はい、もちろん。土曜朝と日曜午前に薪くべを手伝いました。薪をくべた数秒後にはのぞき穴から火がボーッとあがってきます。すぐ燃えている証拠なんでしょうね。その火力をみながら微調整しているわけです。それにしても僅かな温度差が色を決めるなんて、器は神秘的です。ますますはまりそうです。

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