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2005-12-23

湾東を歩くその3

Dock  湾奥にある造船所でメンテナンス中の船を見つけた。マグロはえなわ漁船だろうか。船底から見上げると迫力があって、ご覧のようにトラックがミニカーに見えてしまう。それにしてもどうやって陸へ上げんの?横風で倒れるんでないの?船底はなんで赤いの?次々と疑問がわいてきた。そのうち地下鉄漫才が脳裏に浮かんで、春日三球が「考えると夜も眠れませんね~」と語っている。誰かに聞きたかったが休業日のようで入口にはロープが張られて人影はなく、吹雪も強くなってきたのですぐに立ち去った。

 迫力の余韻に浸りながら歩くこと数分。今度は『おいらの船は300とん』が浮かんできた。『港町ブルース』と並んで、気仙沼では定番の宴会ソングだ。1975年にリリースされたこの曲は、遠洋で暮らす漁師の心情を七五調の歌詞で表した演歌である。最後の5文字を「け~せん~ぬ~ま~~ アーエンヤコラセー エンヤコラセィッ」と歌って締めるのが気仙沼流で、人体オールや漕ぎ手のおまけもつく。

 それにしてもなぜ遠洋船は300トンなのか。調べてみると船舶には総トン数によって乗組員に必要な資格が変わり、その境界が300トンのようだ。300トン以上と以下では、船舶職員法だの海上人命安全条約だの水先法だのと海事法での扱いが変わる。だから300トンぎりぎりで建造するのだろう。進水落成記念の記事を思い出すと、たしかに295トンだとか297トンという仕様が載っていた。『おいらの船は295とん』じゃ語呂が悪い、『おいらの船は300とん弱』じゃ力強くない。歌にするなら300トンが丁度いい。

 なんて書いていくうちに、総トン数はどうやって測るのか気になって調べたら、情報満載のページを見つけたので、そちらをどうそ。

船の豆知識

KENJI

 湾東を2時間弱。変化に富んだ景色もさることながら、海と人の関わりも存分に味わえる散歩でした。(おわり)

2005-12-20

湾東を歩くその2

Kogoshio_ohi  気仙沼湾の東側にはお屋敷が多い。道沿いを歩いているだけで3軒くらい新築中の家があったし、本当に慢性的な不景気なのだろうかと思ってしまった。たぶん不景気というより、高度成長期のような活気はないと言った方が正しいのかもしれない。豊かな生活を送っているのが垣間見えて、道路の先には自家用であろう船が係留されている。窓から竿をたらして釣りができそうなくらい海と隣接している家もあった。実写版『釣りバカ日誌』だなあと船で通う浜ちゃんを想像していたら、立派な門構えのお屋敷をみつけた。小々汐大家(こごしおおおい)と呼ばれる旧家だった。

 撮影許可を取ろうと玄関を開けると、梁も柱も黒光りするほど年季が入っている。奥様らしき方が「200年住んでますんで」とおっしゃっていた。おびただしい地震に遭って、チリ地震津波では冠水した。それでもびくともしないのだから、昔の建築技術は侮れない。内部についてはmayamiさんのレポートをどうぞ。

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2005-12-08

港まち恋人スクエア

Koibito_sqare  内湾一帯には「港まち恋人スクエア」と呼ばれる散歩道がある。

 写真の看板は船を係留するとき2隻以上くっつけて横付けしてはならないとの意味らしく、内湾にいくつも掲げられている。岸壁が拡張されて以来、もう20年以上も掲げているから気にも留めていなかったが、観光客のつもりで歩くととても不思議だ。今度かけかえるなら「船舶の抱合せ禁止!!人の抱合い歓迎!!!」なんてどうでしょう。恋人スクエアだし。

KENJI

2005-12-04

湾東を歩く

Tsurugaura_1  鶴が浦から魚町まで歩いてみた。気仙沼湾の東側は海岸まで山が迫っているので、海岸に沿って昔からの道が残っていたり、養殖から造船まで水産業にかかわる仕事が順路のように続いているので面白い。距離にして片道約6キロ。散歩にはうってつけのコースで、変化にとんだ風景が楽しめる。鶴が浦と大島をはさむ瀬戸は、穏やかなようで干満が激しいと聞いたことがある。この潮の満ち引きが大川から森の養分を運ぶのだろう。カキかホタテか、養殖のいかだが静かに浮かんでいた。

 かと思えば、少し歩くと森に包まれる。山と山にはさまれて、四方を見渡しても海は見えない。そしてまた海。対岸の魚市場まで直線で400メートル位だろうか、地続きなら5分もかからないで行けるのに車で15分かかってしまう。この幅は海じゃなくて川だ。「リアス」の語源はスペイン語の「潮入りの川」だそうで、まさにその通りだと思った。

 小々汐にある200年の古民家とか、大浦の厳島神社とか、浪板の造船所とか。書ききれないので後日また書きます。

KENJI

2005-12-03

鼻地獄耳地獄

Tentenya  のっけからハプニング続きで、新幹線の隣席はこともあろうに楽天監督夫人だった。カウンターで通路側しかないと言われて満席に近いのは予想していたけど、それならそうと言ってくれよお姉ちゃん、これじゃ眠れないじゃないか…と心の中で八つ当たりした。僕の座席には読みかけの雑誌が置いてあったので、参ったなあと思いつつも声をかけた。

「すみません、そこ僕の席ですが空いてる座席に座ります。」
「あら、そう。これ仙台まで止まらないんでしょ。」
「いえ。上野と大宮にも止まるようです。」
「…。」

僕は近くの座席に身を隠していたが、こういう時に限って満席になってしまう。結局、上野駅から隣同士で仙台へ向かった。それにしてもアメリカでもかいだことのない香水の香りが車内に漂っている。発信源は隣席だ。これは鼻腔への拷問である。さすがに大宮駅を過ぎたあたりでギブアップしてデッキで深呼吸し、宇都宮駅を過ぎたあたりで鼻が慣れたのか麻痺したのか、いくぶんか和らいでいたので席に戻った。昨晩徹夜だったしゆっくり眠ろうと思って予約したグリーン車。目的を達成すべく、備えかけの毛布をかぶって一気に眠ったら仙台に着いていた。

 彼女は僕のイビキに悩まされたに違いない。お互い様だった。

KENJI

(1)仙台駅前の「気仙沼・あさひ鮨」へ寄ったら、本店にいた30年選手のM田さんが握っていたので、念願の戻りガツオのハラスを握ってもらった。うまいー!
(2)同級生と気仙沼のそば屋へ行ったら、惜しげもなく森伊蔵が置いてあった。すげー!

河原田ライブカメラ

BBっといー東北