屋号のれん
お待たせいたしました。3週間前ちょっぴり店の飾りが変わりました。商店街で昭和初期の建物に「紺のれん」を飾ることになったのです。エンジンが発明される以前の船の動力といえば風。あまり知られていませんが気仙沼は風の強い町で、風を頼りに船を動かして繁栄を謳歌していました。ただ、火事も絶えず、これまでに2度の大火で町全体が焼き尽くされたこともありました。その直後に復興した建物が今でもあちこちに残っています。それが昭和4年ですから、昭和5年頃、西暦でいうと1930年頃に一斉に建てられました。当時、気仙沼は好景気の真っ只中だったのでしょう。神社仏閣を得意とする気仙大工、洋風建築の実績が豊富な東京大工、それに気仙沼大工がお互いの技を競い合って建てられたそうです。しかも真四角ではない、台形や三角形の土地に合わせて造られているのです。
同じ時期に建てられたものが残っているのは全国的に珍しいそうで、建築士の方々が中心となって結成された「風待ち研究会」の皆さんが数年前から調査を行い、その輪がまちづくりに広がっていきました。風待ち地域の観光プロジェクトの一環として、このようにあちこちに紺のれんが飾られることになったのです。
朝夕の出し入れ作業が加わりましたが、雨の日以外は続けています。紺のれんの脇にはお休み処を設けていますので、腰掛けて一服どうぞ。
seiko
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