曲線今昔考
東京へ戻る途中、平泉の毛越寺へ寄った。5月に帰省したときにも寄って、池に水を引き入れる水路「遣水」に感動した。日本で唯一、平安時代から残る遣水で、曲線で緩急の流れを生み出しつつ、自然な流れを演出している。しかも当時『作庭記』という庭園あんちょこ本があって、記述通り風水で吉相とされる流れで造ったという。そこまで考えつくされているとは平安時代万歳!優雅すぎて見とれてしまったのだ。
今回もまた1時間近くながめて、ふと気づいた。この曲線、夜のヒットスタジオのセットに似ている。横向きで出現して、階段を降りながら正面に迫ってくるあのセット。ラブアタックもこんなセットだったはず。曲線だと奥行きが出るうえ、優雅さも醸し出せるのかもしれない。歌手が立体的に見え、成立カップルがエレガントに見えたのはあの階段にあると気づいて、水か人かの違いだけで、平安時代も現代も優雅に見える技法は変わらないんだなと思った。
膝を揃えて斜めに突き出すと足が長く見える、女子アナ座りもこの技法なんだと思った。
KENJI
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