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2006-06-02

断腸の思い

20060601 降ってくるのか、湧いてくるのか今年は催事が目白押しだ。FUMIHIDEが消防団長を拝命した、とのことで消防関係者との懇親会が開かれ、僕たちは下働きにと帰還命令がくだされた。

 厳かな会になると思いきや、なんのなんの。端的に言えばしっちゃかめっちゃかである。席次が決まっていたのに、中盤にはすでにシャッフルしている。さんさ時雨に合いの手が図ったかのようにこだまする。仲居さんが作りたてられないスピードで酒が減っていく。おいらの船は300とんのイントロが流れ出したら壇上に人だかりができた。出身分団のメンバーが「君といつまでも」を歌いだしたら、マイクを握っているのはFUMIHIDEではないか。しかも間奏で、「断腸の思いで団長を引き受けました」ときた。なのに会場から「せいこ~」の野次が飛ぶ。

 こんな調子が最後まで続く。

 豪快で、フレンドリーで、それでいて最後はひとつにまとまる。いかにも気仙沼の気質というか地域性がたっぷりと味付けされた懇親会だった。

〔本日の教訓〕
尾張名古屋は城で持つ
店米山武 母で持つ

KENJI

2006-05-05

柱のキズ

Hashira  茶の間にある柱。一族郎党のせいくらべの痕が残っている。といってもキヨエおっぴい(1900-1993)が健在な頃は柱にキズなんぞご法度で、ひ孫世代のしかない。今見えているのはしほ12才だの、ようこ8才6ヶ月だの比較的新しい計測で、僕のはほとんど見えなくなっていた。よく見ると、名前と計測日だけ書いているかと思いきや、

「あしだけながく」

「座高はいりません」

と、願いまで刻まれている。七夕の短冊ならまだしも、いまだに残っていてこっ恥ずかしくなった。

KENJI

 

2006-04-30

夜桜

Kawarada  佐吉翁の四十九日をこじんまりと。

 桜並木のライトアップが忌明けを象徴するかのようで、清々しい気分になる。自治会の企画で始まったのは数年前だそうで、この時期久しぶりに帰省した僕は初めて見た。人ごみにもまれなくても、身近にこんな素晴らしい景色があるとは見逸れていた。今日の三陸新報で紹介されていたからなのか、車も人もひっきりなし。あのカラー写真の夜空と桜のコントラストがきれいで、同じアングルで撮ってみたら絞りを閉めすぎて夜空まで明るくなってしまった。

Spotligtht

 ライトのそばへ寄ってみると、なるほど市民会館の舞台用ライトを使っているではないか。粋な計らいだ。屋内用のライトに傘がかぶせられて手作り感が倍増する。

 そういえば河原田自治会館ができたのは25年位前で、一緒にみんなの森ができた。休日に自治会の人たちが整備していた記憶がある。父と僕が歩くそばで、サワイのおじいちゃんが木を植えていた。どっちかが「桜を植えてるんだぞぉ」と僕に聞かせてくれた。四半世紀を経て、その桜は見事に咲いている。

KENJI

2006-04-13

選ぶのは人か服か

Takashimaya_ezome  ワシントン在住のテキスタイルデザイナー、菊地エミさんの展覧会へお邪魔する。絵染め「絹とバラの100彩展」、4月18日まで日本橋高島屋7階にて。

 「バラのマークの高島屋」だけに会場と作品がマッチしている。それに独特のぼかし技法がエレガントさをより引き立たせるように感じた。パーティーで女性が羽織ったらたぶん、華やいだ雰囲気を醸し出すのだろう。僕には縁がないと思っていたら、ねずみ色の絹地に白バラ模様のネクタイがあった。勧められて合わせたら芸人みたくなった。人が服を選ぶのではなく、服が人を選ぶと痛感する。

 てな話をしていたら、「ウルトラダラーが来たわよ、タケヤマさん」と言われ、振り向いたら手嶋龍一さんが花かごを携えてやってきた。瞬く間におばさんの視線が集まる。店員や通路にいたお客さんが「あの人NHKの人?」などと囁きあっていた。13日、八重洲ブックセンターでサイン会があるらしく、時間を尋ねた方に「ええと。マネージャーは僕の性格に気づいたようで、当日の予定だけ知っています。その日暮らしといったところですね」とこたえていた。それだけ引っ張りだこなのだろう。テレビと変わらないあの朴訥な語り口。芯からにじみ出る人柄。人気があるのもわかるなあ。手嶋さん初の小説「ウルトラダラー」は20万部を突破したという。

KENJI

2006-02-12

十人二十万色

Color_chart  影山のり子さんの工房を訪ねた。僕は染色にまったく無知で、布に色を塗ってハイ出来上がり、みたいに安直に考えていたら大間違い。技法も染料もさまざまだ。たとえば友禅染めは型か手書きかで工程も変わるが、蒸したり洗ったり完成まで十いくつもの工程がある。京、加賀、江戸と地域によっても特徴がある。技法も調べたら辻が花だの重色ぼかしだの色々あって目が回ってしまった。

 写真は染料の配合を微妙に変えながら作ったカラーチャートだ。のり子さんのお手製で、2×5mの生地に120×120種類、1万4400色が規則的に並んでいる。染色専攻の学生は授業で必ずやるそうだが、それにしても一人黙々と配合を変えながら色をつくって、布に刺しての繰り返しとは、こんな気の遠くなる作業は好きでなければできないと思った。完成までに2年かかるという。「譲ってほしいと言われたことがあったけど、これだけはね。」とおっしゃっていた。

 のり子さんによれば、人間の目が見分けられる色は約2万色だそうだ。一人の手でこれだけの色をつくりだせば十分だと思ったが、120×120じゃぁまだまだ、と首を横に振っていた。もっとも、色は波長を区別するために脳内で作り出されたイメージであって、人によって見え方も微妙に異なる。そう考えると、ひとり2万色だとしても、10人だと20万色になるのかもしれない。染色の奥深さを知ると同時に、のり子さんの並々ならぬ染色家魂を感じた。

影山のり子・着物の世界

KENJI

河原田ライブカメラ

BBっといー東北