芸術の秋part1:池口史子展
三越日本橋本店のライオン。まじまじと見たら結構マヌケ顔だった。口をポカーンと開け、横目で客の出入りを眺めている表情は何を語りたいのだろう。でもなぜライオンなのか。三越も何か意図があって設置したに違いない。今度調べてみよう。
それはともかく、池口史子展に行った。11月1日まで日本橋本店6階特選美術ギャラリーにて。ぜひ見るべし。
池口さんは知る人ぞ知る洋画家。堺屋太一さんの奥さんでもある。ワシントンの菊地さんに誘われ、一昨年の個展では池口さん夫妻とお茶をすすりながら作品のエピソードを聞いた。今日は池口史子さんと菊地さんと3人で立ち話。僕は池口さんの描く風景が大好きで、今回はカナダ・ケベック州の田舎町と、フロリダだろうか南国の街と題したパステル調の建物の風景画、人物画、チューリップなどの静物画の展覧会だった。
池口さんの建物は空に対して垂直でなく、斜めに描かれている。正面から見ると傾いているように見えるのだが、斜めからみると、何とまあ、立体感が倍増するのだ。例えば丘のてっぺんから見る海。正面からだと全体が見渡せて、左斜め30度から見ると奥行きが増し、しゃがんで見るとさらに立体となって飛び出してくる。あたかもそこにいるかのような錯覚になる。それが楽しくて、みんな床から160センチ前後の視点で見ているのに、僕だけがしゃがんだり、斜めから見たり、近づいたり離れたりしているのだから、変人に思われたかもしれない。すごく気に入った絵があったけど、僕の収入では手の出しようもない。残念。いつか買える日が来るように頑張って稼ごうと心に決めた。
KENJI
三越のシンボル・ライオン像について(三井広報委員会)
みつこし大辞典(三越ホームページ)
調べてみたら、結構単純。百貨店として歩み始めた当初の支配人がライオン好きで設置したみたい。
れいおんさま
三越日本橋本店の列柱は気仙沼の隣町、唐桑の大理石海岸の石が使われているようです。おみそれしました。ライオンの台座は真壁石という北関東で産出される花崗岩です。
大理石海岸(Yahoo!トラベル)
ライオンの大理石はあんだのとなりまち生まれ さくしゃと いし のちょうさ すべし えにしは いなもの あじなもの じんそくに
投稿情報: れいおん | 2004-10-29 08:03
はじめまして、こんにちは。
私も、損保ジャパンの「池口史子展」を観て、すっかりファンになってしまった一人です。
人物画も花も静物画も、みんなステキだったのだけれど、特に風景画には圧倒されました。
斜めの線が、建物の大きさを上手く出していますね。
静寂の世界の中に「動き」のようなものを感じさせてくれるのも、あの線の効果なのでしょうか?
とにかく、素晴らしい展覧会でした。
日本橋三越の展覧会は見られなかったのが、とても残念です。
投稿情報: snow_drop | 2005-11-07 15:00
>snow_dropさん
はじめまして。東郷青児美術館へ行かれたんですね。僕も池口さんの風景画がとても気に入っています。淡い色彩の中に力強い線があったり、奥行きがあったり。技法は全く分かりませんが、斜めの線が建物の立体感を増幅させているのかもしれません。斜めから見て、奥の地平線に視点を集中すると建物が飛び出してきます。それと池口さんの絵は独特の持ち味がありながら、それを誇張たり強調したりしていないところが好きです。
花の絵からイメージしたのは「魔女」でした。とてもインパクトがあって、アマリリスのあの赤色が頭から離れません。直視できなかったので、期間中もう一度見てこようと思います。
投稿情報: KENJI | 2005-11-07 15:34
KENJIさん、こんばんは。
コメントとTBを、どうもありがとうございます。
展示室の中を、何度も往復し、じっくり鑑賞したつもりだったのですが、こうしてお話を伺っていたら、また観たくなってしまいました。
斜めから奥の地平線に視点を集中させる鑑賞法も、ぜひ試してみたいです。
それから、池口さんの花の絵は、風景画からは想像できない、うねうねとした怪しい雰囲気がありましたね。
「魔女」ピッタリです。
こちらこそ、これからも、どうぞよろしくお願いいたしますね。
投稿情報: snow_drop | 2005-11-08 00:10
はじめまして。
三越日本橋本店のライオンマヌケ顔ですね。
笑っちゃいました。
またブログ遊びに来ますね
投稿情報: ipad熱狂中 | 2010-06-09 00:44