鼻地獄耳地獄
のっけからハプニング続きで、新幹線の隣席はこともあろうに楽天監督夫人だった。カウンターで通路側しかないと言われて満席に近いのは予想していたけど、それならそうと言ってくれよお姉ちゃん、これじゃ眠れないじゃないか…と心の中で八つ当たりした。僕の座席には読みかけの雑誌が置いてあったので、参ったなあと思いつつも声をかけた。
「すみません、そこ僕の席ですが空いてる座席に座ります。」
「あら、そう。これ仙台まで止まらないんでしょ。」
「いえ。上野と大宮にも止まるようです。」
「…。」
僕は近くの座席に身を隠していたが、こういう時に限って満席になってしまう。結局、上野駅から隣同士で仙台へ向かった。それにしてもアメリカでもかいだことのない香水の香りが車内に漂っている。発信源は隣席だ。これは鼻腔への拷問である。さすがに大宮駅を過ぎたあたりでギブアップしてデッキで深呼吸し、宇都宮駅を過ぎたあたりで鼻が慣れたのか麻痺したのか、いくぶんか和らいでいたので席に戻った。昨晩徹夜だったしゆっくり眠ろうと思って予約したグリーン車。目的を達成すべく、備えかけの毛布をかぶって一気に眠ったら仙台に着いていた。
彼女は僕のイビキに悩まされたに違いない。お互い様だった。
KENJI
(1)仙台駅前の「気仙沼・あさひ鮨」へ寄ったら、本店にいた30年選手のM田さんが握っていたので、念願の戻りガツオのハラスを握ってもらった。うまいー!
(2)同級生と気仙沼のそば屋へ行ったら、惜しげもなく森伊蔵が置いてあった。すげー!
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