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2005-11-21

晩秋のアパラチアン・トレイル

Appalachian_mountains  アパラチア山脈は老齢期の山脈らしいおだやかな風景が連なる。カナダ・ラブラドール地方からアラバマ州まで続く山脈のうち、メーン州からジョージア州までの全長3500キロを尾根づたいにトレッキングできるアパラチアン・トレイルがある。昨秋TBS世界ふしぎ発見でも紹介されたようで、半年かけて一気に走破する人もいれば、20年かけて休日の度に少しずつ歩く人もいるという。この山脈の麓にウィリーさんの窯がある。

 ウィリーさんに「ケンプトンで何がしたいですか?」と聞かれ、僕は即座に歩きたいと答えた。そこで近くのピナクルまで連れていってもらった。山の名前はなくて、頂上を意味するピナクル(pinnacle)が呼称として使われる位の無名の山だ。標高は500mくらい、約2kmの道。麓から山頂を見上げたら展望台らしきものが見えるから、こりゃ楽勝だろうと高をくくっていたら大間違い。けもの道をかき分け、5合目まではなだらかな山道で、次第に勾配がきつくなって9合目からは岩山だった。麓で見た展望台は人工物ではなかった。

The_pinnacle_kempton 2歳半の娘を背負って、ウィリーさんは岩山をヒョイヒョイと登っていく。ずいぶん慣れたものだなあと思っていたら、元旦に必ず家族で登るそうだ。
「9年前、僕とシリアはこの場所で結婚の約束をしました。」
「それってプロポーズでしょ?」
聞き返した僕はとても野暮である。二人とも照れていたが幸せそうだった。頂上で告白を決意したウィリーさんは、その時に限って道に迷い二人で彷徨ったとか、結婚パーティーを頂上で開こうと本気で考えたが死人が出るかもしれないから麓でやったとか、空の色とマッチしてとても清清しい気分になった。

 「ピナクルは僕の家族にとっての神社です。」

 ウィリーさん、粋なこと言うねえ。

KENJI

2005-11-18

ジョージワシントン橋

George_washington_bridge  さて。先日のレインボーブリッジ徒歩散策から橋梁建造物のとりこになってしまい、本日はハドソン川に架かるジョージワシントンブリッジを渡った。マンハッタンの北、178丁目とニュージャージー州フォートリーを結び、自転車でも通行できる。撮影禁止とは知らず、咎められる前の1枚しかない。左下の詰め所からおばちゃんが出てきて何か言ってるが車の騒音でよく分からない。困ったヤツだ、みたいなポーズを取ったので近くへ寄ったらそうだった。

 それにしてもなぜ撮影禁止なんだろう、最初はテロ対策かと思ったが渡っていくうちになんとなく察した。歩道が狭く、柵が低いのである。狭いといっても幅2メートルはあるが、自転車も通っているから途中で記念撮影なんぞしたら妨げになる。しかも柵は胸までの高さしかない。自転車と人が衝突したら、乗ってる人は65メートル下の川に投げ出されそうだ。防護フェンスでもつければいいのにと考えてしまうが、予算がないのか、景観維持のためなのかは分からない。過剰な保護はしないという、いかにもアメリカらしいつくりだった。

 しかも塗装はされているものの、ワイヤーは剥き出しになっていて歩道から触れる。握ってみると負荷がかかっているような気がして吊り橋気分が倍増する。年間約1億840万台の通行量は世界で最も多く、よくまあこんな細いワイヤーで支えてるもんだなと感心した。これだけの通行量があるとワイヤーの老朽化も激しく、常にワイヤーを張り替えているそうで、僕が渡った時も北側のワイヤーの工事をしていた。

KENJI

2005-11-10

人生最大の勝ち組

Rainbow_bridge 昨日、お台場から芝浦まで初めて歩いてみた。

 実はレインボーブリッジには遊歩道があって、フジテレビ18Fの社員食堂から眺めていたら無性に歩きたくなるほどの好天で、1.7キロ、25分の小旅行を敢行した。入口で警備員がカウントしていたので、尋ねてみたら1日の通行量は冬季で平日50人、休日100人程度しかいないらしい。「僕のようにスーツ着て歩いている人はいないでしょ」と聞いたら、お台場に住むサラリーマンが通勤で何人か利用しているようで、日中はほとんどが観光客だという。実際、すれ違ったのはガイドブックを持ったペア2組だけだった。

 マンハッタンのブルックリン橋もなかなかだが、レインボーブリッジから眺める東京港も絶景だ。車の往来が少ない日曜早朝なんかいいかもしれない。頑丈なつくりに見えて、ダンプが立て続けに通ると側面の金網がピシピシと微かにふるえて路面がたわむ。モワンモワンとアクリル板に立っているような浮遊感を味わえるが結構こわい。ここで地震が来たら海面に叩きつけられるのだろうか、いやそんなやわな設計ではないはず、見出しは“レイボーブリッジから転落死”なのか、戒名に虹色居士なんてつけられたらどうしよう、と大袈裟にも死と隣り合わせの気分になった。

 渡りきって間もなく、明日はじいちゃんの誕生日だとふと思い出した。打ち合わせの最中、ホリエモンがお台場まで走る企画だった『25時間テレビ』で、遊歩道は夜間通行止で結局船で渡ったと聞いたのと橋上の意識が重なって、三途の川の六文銭、地獄の沙汰も金次第、でも棺桶までカネは持っていけないし、と考えていた。ホリエモンといえば今や勝ち組の代表だが、死んだら元も子もない。それにしてもじいちゃんの誕生日を目前に三途の川とは不謹慎だなと思った瞬間ひらめいた。人生最大の勝ち組は長寿なのだと。

 sakichi爺は本日で齢八十六を迎える。本人曰くあと30年は生き続けると鼻息荒く、はるか向こうに三途の川がある。というか、あってほしい。

KENJI

2005-08-21

出会いふれあいぶらり旅

kamatuda_kabing_030 kamatuda_kabing_033 kamatuda_kabing_002  みなと祭りに「とっしーのつれづれ」さんが関西からいらっしゃいましたが、ちょうど露天商せいこの真っ最中だったので詳しくお話しできず残念でした。ブログのつながりって面白いですね。

 意味合いは少し違うかもしれないけれど、本日「農家の嫁の事件簿」のTAAさんとAKIさんに会いに行ってきました。気仙沼から車で1時間のところでカービングの実演があると知り、いつもの思い立ったら吉日とばかりにhideかっちゃんも誘って3人で登米市津山へ。hideかっちゃんはなんと、昭和47年製いすゞべレットで迎えに来たではありませんか。スローな食に、スローな家、そしてスローな車、、、。

 実演の準備をしているところだったのでしょう。「AKIさんですか?」と声を掛けたら
「はい?」
戸惑ったような表情で返事が。すかさず、
「はじめまして、スローな食の、、、。」
「あーーーーッ、どうも。」
緊張してたので、さっぱり忘れたけどそんな会話だったような気がします。

 突然なのに快く応対していただきありがとうございました。初めて生で見るカービングにびっくりするやら感心するやら、暫し見とれてしまいました。見本のワンちゃんは愛犬チャコちゃんでしょうか。AKIさんのイラストに出てくるように可愛かったです。

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2005-07-25

そうだ、会津へ行こうー! その3

fukunisi-tokei  野口英世青春通りにあるみやげ屋で、「おじいさんの古時計」を見つけた。その時計は、とても開放感のある店の中で、どこか控え目ながらも訪れた者に確実に伝わる独特のオーラを放っていた。製造年など詳しいことは分からなかったが、精工舎(現SEIKO)製で周りの木枠は桐で出来ているそうだ。

fukunisi 会津若松市歴史的景観指定建造物(第一号)を一目で見渡せる絶好の場所で、会津を訪れた人々を静かに見守ってきたのだろう。時計になったつもりで空間を眺めたら、意外な発見があるかもしれないと思い、近くの階段に登らさせてもらった。それがこれ。

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河原田ライブカメラ

BBっといー東北