芸術の秋part5:気仙沼あさひ鮨
引き出しを整理していたら、あさひ鮨のおんちゃんが描いた絵はがきが出てきた。水彩で描いた真夏の気仙沼湾である。腕前はプロ級で、美術展で何度も入選している。20年位前だったか、浜見山から見た南町海岸の油絵が入選して、家族で新聞社の巡回展へ行ったのを思い出した。
おんちゃんが描いた海は、どんよりと鼠色がかっていて、汚濁かと思うほど重々しかったのを覚えている。ましてや当時の僕は、海といえば青ぐらいの知識しかなかった。なんかすごく寂しくなるような気がして、まじまじと見れなかったように思う。
ところが今でも思い出せるのだから、強烈な印象が残っていたのだろう。乱反射して白くなったり、夕日に照らされてオレンジ色だったり。石垣で見た海はエメラルドグリーンだったが、稚内では灰色だった。海は青くない。そう気づいてからは、鼠色の海がとても味わい深く感じるようになって、ノスタルジックな気分になると決まってあの絵を思い出す。
今日の気仙沼湾は何色かな、と。
KENJI
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