先週、同級生一行と浅草で食べたグリル佐久良のチキンライス。適度にパラパラ感があって、赤というよりオレンジ色。嗅ぐとバターの香りがして、食べると雑味のないトマトの酸味がして、その絶妙なバランスに挑戦すること1週間。ついにやりましたぞい。って誰にも頼まれていないんだけど、聞いてくださいな。
ポイントは冷蔵庫にある具材でできてしまうこと。僕は最初、トマトピューレだの発酵バターだの、特別なもの使っているんだろうな~と想像したけど全部ハズレ。発酵バターやカルピスバターで試したけど、普通のバターでも変わらなかった。ケチャップも同じ。
それと具材とご飯を別々に炒めるとバターの香りが残ること(いわゆるバターライス?)、ごはんにケチャップ絡ませるのではなく、具材に絡ませるとパラパラ感が出ること、冷や飯よりも温かい飯の方がバターがなじみやすいこと。それで何となく名店の味に近づいてきた。
ただし、ケチャップを炒めすぎると焦げ味になってしまう。この辺がプロの技なんだと思う。あと一つのフライパンでこなすんだと思う。お店で聞き耳を立てたら、炒める音は一つだったし。ジュワーって音は3分くらいだったかな。
そうそう、鶏の皮はバターの香りを消してしまうので取り除くといいです。
てなわけで、お試しあれ。
同級生一行が上京してきた。「なんかさ、みんなでのぼんのがいいっちゃ」と、幹事がどうしてもと選んだのが東京タワー。集団でのぼるなんて中学の修学旅行以来だ。望遠鏡を顔で遮ってみたり、ガラスの床でジャンプしてみたり、中学生当時と変わらないバカさ加減。これがヒルズ展望台だったらすまして眺めていたかもしれない。僕は最初、高い所なら他にもあるのにと思ったけれど、幹事が求めていたのは眺望ではなく、思い出の再確認だったのだろう。18年前の自分を思い出してこっ恥ずかしくなったり、懐かしくなったり。中坊のケンジ君に今の状況を何と語りかけようか。おかげさんで幸せに暮らしてますよ〜ってところかな、ハハ。なんて想像を地上150mで。
江國版でも、リリー版でもない私家版東京タワーを見つけた気がした。
KENJI
先日のテーブルウェア・フェスティバルにて。やっぱりどうしても目が向くのは会津塗だの曲げわっぱだの。おひつを買うか1時間悩む。それに調理器具。たいした料理もしないくせに便利器具に飛びつく癖がある。手の方が早いと知っているのに、道具でいかに便利になるかを知りたくてつい買ってしまう。これまで撃沈した便利器具は数知れず。ギョウザはさみ機に温泉卵マシン、業務用ピーラーにパスタ製造機…。
そんな僕の調理器具熱に喝を入れられたのがこれ。帝国ホテルの銅鍋。開業以来100年使い続けているという。頻度の高い厨房で100年も使っているとはすごい。モノがいいからなのか、丁寧に使っているからなのか、両方とも当てはまるのだろうけど、それよりも使い続けようとする心意気に料理の真髄を感じる。
きみ、きみ。料理は道具で決まるんじゃないんだよ。とあかなべ君は言った(ような気がした)。
KENJI
当店など、被災した内湾地区の国登録文化財は次の団体・企業のご支援で応急修理が進められています。世界各地からのご支援に深く感謝申し上げます。
文化財保護・芸術研究助成財団
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気仙沼風待ち通信 2013年2月号(PDF) |
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