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2006-11-23

弁天さまは木皮の香り

Tenkawa

 阿倍野から近鉄で1時間強、そこからさらに路線バスで1時間の天河大弁財天へ行ってきた。着くなり白装束のおじさんに「君はどこから来たのかね」と声をかけられ、社務所で暖をとるよう案内される。お互いタバコをふかしながら他愛もない会話をしているうち、ちょうど奄美民謡の歌手が奉納するとのことで、その様子を見せてもらうことになった。

 本殿は20段くらいだろうか。最上段に神具が置かれ、中段に奉納者。僕はそれを最下段から見上げている。時が止まったかのように皆びくともしない。遠くで誰かが金づちを打っている。そんな静寂に包まれること5分、本殿の太鼓が鳴って宮司が登場した。

 宮司が祝詞をあげだすと、足元の砂利から蜃気楼みたいなものが出てくるのを感じた。熱したフライパンのような、ガスが噴出しているような。何だろこれ~と思っていたら、そのうち甘い香りが鼻をついた。記憶はあるけど思い出せない香り。化粧や香水でもない。強いて言えば木皮のほのかな甘い香りといった感じで、心地よい空気に包まれた。

 姿かたちは見えないけれど、弁天さまがいると感じた瞬間だった。

KENJI

 

2006-11-22

擬音語

Nougakudo

 出張がてらウィリーさんの個展準備を手伝いに大阪・山本能楽堂へ行く。手伝いには彼を応援する関西在住の方が集まっていた。

「そこのプチプチ取って、フワフワ重ねといてや~」

「バーン広げてドーン並べて」

「M本さん、それじゃ分かりませんよ~」

「大阪じゃあ通じるの!」

 通じていなかったのは僕だけで、みな指示通りに作業を進めていた。プチプチにフワフワにバーンにドーン。何だか分からないけどイメージは伝わる。

 擬音語って便利ですな~。

KENJI

2006-11-17

やどかりとペットボトル

Yadokari

 池上永一さんのエッセイ集が発売された。去年、河北新報でも連載していたから既に読んだ方も多いと思う。その連載を含めた10年分のエッセイが一冊にまとまった。

 読みながら、んまあ、日常によくもこんなに面白エピソードが落ちているものかと思ってしまう。帯には「かなり歪んだ視点で綴る不思議ワールド」とあるが、奇人変人が書いた類ではなかった。「歪んだ」というより切り口が斬新、と言ったほうが正しいと思う。

 日常がとてもあたたかく感じる一冊だった。

KENJI

2006-11-11

がんづき

Ganzuki

 実家からの荷物にみのり市のがんづきが入っていた。うまいです。

 メープルシロップ味がでないかな~

KENJI

自給自足とノストラダムス

Jikyujisoku

 「完全版・自給自足の本」が届いた。タイトルの通り開墾から収穫まで、果てはメタンガスの作り方などが1冊にまとまっている。先月釜津田へ行ったとき、20年前に読んだ本と似た風景だと思い出して調べたら、版を重ねること19回。ロングセラーになっていた。

 当時中学生だった僕は何度も借りた。土地があるわけでも、川があるわけでもないのに、この一冊で何でもできると夢を見た。水車小屋で自家発電を試み、オーブンで暖をとる自分を想像し、たしかメタンガスの作り方はメモしていたはずだ。

 そんな気持ちになったのは、ノストラダムスの予言への不安からだ。1999年7の月まであと12年しかない。僕は26歳で死ぬのか。彼の予言が思春期の情緒に火を注ぐ。地球滅亡なのに自給自足して生き延びたいという、少し考えれば分かることを真剣に悩んでいた。今思えば世紀末への不安と、自分自身の将来の不安が重なって、現実逃避で読んでいたように思う。

 あれから20年。不安は消えたが、現実逃避の一冊であることは変わらない。机から手放せないんだもの。 

 気仙沼市図書館にまだあるかな。あったらぜひぜひ。

KENJI

河原田ライブカメラ

BBっといー東北