古紙再生装置
僕は働く機械が好きだ。こないだ、さつま揚げ製造機の番組に食い入る自分にふと思った。そういえば昔、実家の倉庫にあった電動リフトを意味もなく上下させて壊した。母の実家にあった小型運搬機を最大出力にして坂道を下ったらエンジンから変なにおいがした。たしか小4の頃だったと思う。物珍しさもあったが、何かが変わる気がしてワクワクしたのを思い出す。機械がもたらす便利さ、いま思えばあのワクワク感は「機械で楽になる自分」を想像していたのではないかと。僕の調理器具フリークの原点はここにあるんでしょう、たぶん。
話は変わって知り合いがオフィスで再生紙をつくる機械を開発して、エコプロダクツ2008で初披露と聞いて行かないわけがない。オフィスに設置でき、薬品もいらない小型古紙再生装置だという。すぐさま飛んでいった。製品の詳細はこちら。製造元は消しゴムメーカーのシード、販売元はシュレッダー大手の明光商会。文書の消去を生業にしている会社同士でつくったなんて素敵ではないか。しかも再生するのだから。
実演では使い古しのコピー用紙を投入口に入れると排出口から再生紙が出てきた。ほぇ〜。古紙と水だけでこんなに再生するとは。トナーが若干残っているが、オフィスで使うには申し分ない。開発した方に聞いたら、機密文書の多い官公庁や個人情報を扱う企業を販売先として考えているという。たしかに専門業者で溶解したり、シュレッダーにかけるより安全だし、環境にも配慮している。ただ、世界初のコンセプトで市場に受け入れてもらえるか、その辺を心配されていた。
開発者の心情を聞いて、ますます興味が沸いてきた。中はどうなっているんだろう。ひょっとして中に人がいて、すり鉢で摺って漉して乾かして。そんなありえないことを想像したら、あのワクワク感がよみがえってきた。くぅ〜っ。機械万歳。何かが変わる。僕には手の届かない価格なので、見かけたら褒めそやかそうっと。
KENJI
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