阿倍野から近鉄で1時間強、そこからさらに路線バスで1時間の天河大弁財天へ行ってきた。着くなり白装束のおじさんに「君はどこから来たのかね」と声をかけられ、社務所で暖をとるよう案内される。お互いタバコをふかしながら他愛もない会話をしているうち、ちょうど奄美民謡の歌手が奉納するとのことで、その様子を見せてもらうことになった。
本殿は20段くらいだろうか。最上段に神具が置かれ、中段に奉納者。僕はそれを最下段から見上げている。時が止まったかのように皆びくともしない。遠くで誰かが金づちを打っている。そんな静寂に包まれること5分、本殿の太鼓が鳴って宮司が登場した。
宮司が祝詞をあげだすと、足元の砂利から蜃気楼みたいなものが出てくるのを感じた。熱したフライパンのような、ガスが噴出しているような。何だろこれ~と思っていたら、そのうち甘い香りが鼻をついた。記憶はあるけど思い出せない香り。化粧や香水でもない。強いて言えば木皮のほのかな甘い香りといった感じで、心地よい空気に包まれた。
姿かたちは見えないけれど、弁天さまがいると感じた瞬間だった。
KENJI
朝一番の全日空機で富山へ。機内誌をめくっていたらスーパーシート特別提供品に男山本店の「蒼天伝」が載っていた。おお、こないだ第二笑口会議所で飲んだやつだ。味もネーミングもラベルも全日空のイメージにぴったりはまる地酒なんだろうなあ。なんかうれしい。
本文には「澄んだ香りと味わい」と書いてある。第二笑口でたこの唐揚げをつまみにちびちび飲んだのを思い出すと、確かにそんな気がする。のどをスーッと抜けて、後味が残らないような感じ。かといって、香りはしっかりと鼻の奥に伝わってくる。他の味を邪魔しない「控えめ」といったところだろうか。なんてもっともらしく書く僕は飲めればいい式だから、戯れ言と思ってくだされ。
それにしても機上で味わう蒼天伝ってかっこいいなあ。次はスーパーシートにしようか、でもその代金分でたらふく飲めるし、帰れば。
機上で雰囲気に酔うか、地上で実を取るか捨てがたい。
KENJI
制限時間1時間のチェーンソーアート実演。開始と同時にBGMが流れた。♪エブリバディダ~ンスナウ~、ジャッジャッジャッ。山あいに似つかわしくない曲と思いきや、これがまたチェーンソー音とマッチする。F1のようなスピード感と、モーグルのようにアクロバティックな動き。木くずが放物線を描いて火柱のような雪のような。これはアートというよりスポーツだと思う。終盤、ミリ単位で削るときには左に右にと、僕の頭とチェンソーの先端が同じ動きをしていた。ほんとうに息が詰まる。
チェンソーは荒削り用、小細工用のものがあった。10分くらいだろうか。オイル切れが重さでわかるのだろうか。規則的にチェーンソーを交換している。その背後でエプロンを着けた奥さんらしき方が給油する。おお、F1のピットみたいだ。
KENJI
オークションに出ていた熊は、鼻水をたらしていた。
当店など、被災した内湾地区の国登録文化財は次の団体・企業のご支援で応急修理が進められています。世界各地からのご支援に深く感謝申し上げます。
文化財保護・芸術研究助成財団
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気仙沼風待ち通信 2013年2月号(PDF) |
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