ウィリーさんの個展が11月7日からギャラリー樋口文庫で。今年はアメリカ大使館の後援に、古典織物の中島洋一さんの特別展示も。中島さんは国宝級の表装を手がける染色家で、今年伝統文化ポーラ賞奨励賞を受賞した。とてもにぎやかな個展になりそうだ。図録の巻頭言は手嶋龍一さんが書いてくださった。ぜひ見るべし。大阪は能楽堂でやります。
ウィリー・シングルトン ケンプトン窯作陶展2006
[東京]11/7(火)~11/12(日) 12:00~19:00 無休
ギャラリー樋口文庫
港区虎ノ門4-3-9 TEL03-3436-4412
地下鉄日比谷線・神谷町駅4b出口 徒歩2分
[大阪]11/21・22 11:00~19:00
大阪市中央区徳井町1-3-6 TEL06-6943-9454
市営地下鉄谷町線・中央線・谷町四丁目駅4番出口徒歩1分
KENJI
先輩の父上が熊に襲われて亡くなった。ニュースになっていたとは知らず、訃報のファックスが届いて絶句した。富山県入善町、黒部川扇状地の丘に先輩の家がある。「よく熊がでる」と冗談めいていたが、まさか父上が遭うとは本当に気の毒でならない。「変な夢を見ているみたい」と語るお孫さんの弔辞に涙がでた。
北陸本線から見える立山連峰は、朝もやが尾根を際立たせて、切り絵が何枚も重なったような風景だった。陰影を許さないほどの急斜面なのだろう。反対側を見ると富山湾はすぐそこ。タクシードライバーも食堂のおばちゃんも「北陸は山が近いから熊が出る」と言っていた。熊の立場になれば、あんな険しい山でエサ探すより人里の方が楽なのかもしれない。観察してみたいと軽く考えていたけど、自然は厳しい。
ご冥福をお祈りします。
KENJI
朝一番の全日空機で富山へ。機内誌をめくっていたらスーパーシート特別提供品に男山本店の「蒼天伝」が載っていた。おお、こないだ第二笑口会議所で飲んだやつだ。味もネーミングもラベルも全日空のイメージにぴったりはまる地酒なんだろうなあ。なんかうれしい。
本文には「澄んだ香りと味わい」と書いてある。第二笑口でたこの唐揚げをつまみにちびちび飲んだのを思い出すと、確かにそんな気がする。のどをスーッと抜けて、後味が残らないような感じ。かといって、香りはしっかりと鼻の奥に伝わってくる。他の味を邪魔しない「控えめ」といったところだろうか。なんてもっともらしく書く僕は飲めればいい式だから、戯れ言と思ってくだされ。
それにしても機上で味わう蒼天伝ってかっこいいなあ。次はスーパーシートにしようか、でもその代金分でたらふく飲めるし、帰れば。
機上で雰囲気に酔うか、地上で実を取るか捨てがたい。
KENJI
北大路魯山人の器が残る料亭へ行った。次の献立が渋滞するほどまじまじと眺める。といっても10年位前に「知ってるつもり?!」で見た程度で、知ったかぶりできるほどの知識はない。覚えているのは「頑固で豪快な人」「稀代の芸術家」くらい。いかんいかん、また邪念で見ている。基本姿勢は「ボーッと」だろ。そういう思いが巡る時点ですでに邪念だ。
二品目からは構えるのをやめ、流れにまかせて眺めたら確かに伝わってくるものがある。ほんの一瞬だけど、紙芝居に1枚だけ違う図柄が入ってくるような感覚。連続フィルムに1コマだけ違うのが混じっているような。なんて表現したらいいんだろう。現在の時空に過去がヒョイと現れるような。ちょびヒゲで丸メガネのおっさんがニヤリと笑っているのが浮かんだ。
その時「この人、イタズラ好きだったかも」と思った。魯山人といえば土味があり、洗練された武骨さというイメージだったが、曲線がとてもきれいだ。しょうゆ皿を見てそう思った。焼物についてきた蓋も、こんな曲線出せないと思うほど美しい。ひっくり返したら手にしっくりなじむ。「かわいい~!!」と叫びたかったが、女子高生じゃあるまいし場所も場所なので心に留めた。武骨さもあり、キュートさもありの魯山人は人を驚かすのが好きな人だったんじゃないか。それをトイレで確信した。便器が魯山人作なんだもの。
[本日の教訓]
芸術は、みそくそだ。
KENJI
当店など、被災した内湾地区の国登録文化財は次の団体・企業のご支援で応急修理が進められています。世界各地からのご支援に深く感謝申し上げます。
文化財保護・芸術研究助成財団
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気仙沼風待ち通信 2013年2月号(PDF) |
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