ゑびす家のうなぎは人情味
柴又帝釈天の門前にあるゑびす家の若旦那DEGとは大学の同級生である。入学したての頃は中学高校と違って仲間がいない。アトランダムに編成されたクラスでは、素性は分からないがとりあえず近くの席どうしで学食へ誘いあい、新しい人間関係を模索しながらグループになっていった。早食いで、まずくても付け合わせを残さないのが僕とDEGで、「コイツ、食いものに関係する商売屋の息子に違いない」と互いに思っていたことが卒業後判明した。そのDEGとはゼミも一緒で、学生生活の3分の1近くはつるんでいたように思う。仕送りを使い果たすと入り浸り、さんざんお世話になった。2年後に米寿を迎えるおばあちゃんを筆頭に、何十年選手の板前さんや仲居さんと家族で切り盛りしており、家族構成も店米山武に似ているので東京にいても何となく実家に帰ってきたような気分になる。
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